身体知研究会

身体技能を言語化する方法論の確立

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更新日 2020-01-24 | 作成日 2015-10-14

身体知研究会(発表・参加募集)

第18回研究会を以下のように開催しました:

  • 日時:2014年3月14日(金)
  • 特集「コミュニケーションを通じて一人称視点を探る」
  • 場所:千葉大学西千葉キャンパス・自然科学総合研究棟2・2階マルチメディア会議室
  • LinkIcon千葉大学西千葉キャンパスへの交通案内
  • 参加費:無料
  • 予稿集 [LinkIconPDF(4 MB)] SKL-18 (22 pages) 暫定版]

[概要] 特集「一人称研究の勧め」人工知能学会誌 Vol. 28 No. 5 (2013 年9月)を受けて,自己と他者の一人称視点を,コミュニケーションを通じて探るという切り口で,特集を組みます.
 招待講演一件目は,ワークショップ形式で,キャリアコンサルタントの川堀昌樹氏を講師に迎え,参加者がそれぞれに自らの一人称視点について気づきを得て,よりよい研究や人生につなげる方法を体験します.
 招待講演二件目は,千葉大学大学院看護学研究科訪問看護学教育研究分野の諏訪さゆり先生に,国際生活機能分類ICFを活かし,認知症の人の自律と自立を支援する方法について御講演頂きます.
 さらに,一人称視点を軸に,家族や介護者など周囲とのコミュニケーションと知識共有を図る実践的な取り組みをされている実践家の方から話題提供頂きます.

一般講演

古川 康一(嘉悦大学), 升田 俊樹, 西山 武繁
合奏指導における比喩表現の役割
LinkIcon[PDF]] SKL-18-01 (pp. 1-4)
オーケストラの合奏指導では,音楽の質の向上のために様々な指導を行うが,その際直接表現に比べて,比喩などの間接表現の方がより効果的であることが多い.本稿ではその効果を生む背景について考察する.

橋詰 謙(大阪大学)
トップアスリートの身体知(その4) 三宅 諒(フェンシング・ロンドン五輪・男子フルーレ団体銀メダリスト)
LinkIcon[PDF]] SKL-18-02 (pp. 5-8)
『IQフェンサー』三宅 諒氏に行なったインタビューの一部(フェンシングのルールと技術、身体知)について報告する。

特集「コミュニケーションを通じて一人称視点を探る」

川堀 昌樹(キャリア・コンサルタント)
<招待講演> キャリア・デザインのきっかけ体験
[概要] 「就活」と呼ばれる今の大学生の就職活動は,大学生活の一大イベントとなっている.就活生に求められている社会人基礎力とは何かを知るとともに,就活準備に必要な自己分析や自己PRの作成から,キャリア・デザインのきっかけを体験する.大学生が就活に習熟していく過程を知り,参加者の研究や活動との接点を考えるきっかけとしたい.
[紹介] 千葉大学工学部画像工学科写真コース卒業.セガ・エンタープライゼス社にて,幼児教育用ソフト・ゲームソフト・システムの開発を究める.マイクロソフト社では,技術サポート部門の統括でピープルマネージメントの経験を積む.現在は,フリーランスのキャリア・コンサルタントとして,日々,就活生を応援している.
ご参考 LinkIconhttp://casset.jp/ForIndivi.html

諏訪 さゆり(千葉大学大学院看護学研究科)
<招待講演> 国際生活機能分類ICFを活かした認知症ケア
[概要] 「認知症の人中心のケア」の重要性が叫ばれているが,認知機能低下のある人の思い,意思を理解することは難しい.家族やケア専門職の思い込みであるにもかかわらず,認知症の人を理解したつもりになりやすい.しかしWHOによるICFの考え方を活かすことで,的確にアセスメントし,認知症の人の自律と自立を支援することが可能となる.当日は,ICFの考え方を活かした認知症ケアによって,認知症の人の生活がどのように変化するのかについて紹介する.

辻村 真由子, 篠原 裕子, 藤田 淳子, 片倉 直子, 石垣 和子,
山本 則子, 小笹 優美, 磯部 有紀子, 園田 芳美, 黒河内 仙奈(千葉大学大学院看護学研究科)
在宅療養者を支える家族介護者の他者へのケアの委譲
−家族介護者に関する質的研究のメタ統合から−
[概要] 訪問看護活動においては,在宅療養者とその家族の生活が安定することを目指している.家族の介護負担を軽減するために,他者にケアを委譲することが有効な方法の一つである.本研究では,自宅で暮らす疾病・障害・老いを有する者を介護する家族員の体験に関する論文の知見をメタ統合することに取り組んだ.当日は,メタ統合により構造化された家族介護者の他者へのケアの委譲にかかわる認識と行動の概念,および看護への示唆について報告する.

島村 敦子, 辻村 真由子, 諏訪 さゆり(千葉大学大学院看護学研究科)
訪問看護師が用いる在宅療養者の気持ちを汲み取る方法
[概要] 訪問看護師が用いる在宅療養者の気持ちを汲み取る方法を明らかにするために,訪問看護師に同行訪問し,参加観察で得られたデータをもとに,半構造化面接を実施し,質的に分析した.訪問看護師は在宅療養者の気持ちを【家に訪問する瞬間に集中して肌で感じ取る】ことからその日の看護を展開する,【家族の関係性をふまえて在宅療養者の気持ちを推測する】,次回の訪問まで考慮し【訪問看護師の対応により沸き起こる在宅療養者の気持ちを見据える】など,限られた時間と回数で訪問し,家族との関係性をふまえながら看護を提供する訪問看護の特徴を反映している方法があったため紹介する.

高橋 英克
一人称視点で感情移入 共感を創出:
「聴くを贈る」家族遺産プロジェクト
LinkIcon[PDF]] SKL-18-07 (pp. 9-12)
[概要] 人生において誰しも一度は経験する「大切なあの人ともっと話をしておくべきだった」.その「話をしておくべきだった」を「話せて良かった」と思える場,きっかけの場づくり推進プロジェクト.
成果物である「贈る」自分史は,聴き手が語り手に成り代わり一人称で記す.一人称で定義することにより,本人の想いや喜怒哀楽といった感情を知ることが要となり,昔話を積極的に語らう場には必然と共感が生まれている.
○家族が家族の話を聴くことを通じて,自分史を贈るLinkIcon「家族遺産プロジェクト」
http://www.家族遺産.jp/

永田 映子(介護老人保健施設 マカベシルバートピア)
М家のアルバム(過去・現在・未来)
LinkIcon[PDF]] SKL-18-08 (pp. 13-15)
[概要] 80代の女性Mさんは,4年前から高齢者施設におけるデジタルカメラを使った活動に参加している.撮影された画像等を通じて,自分専用のデジタルカメラのある生活がもたらした効果を考える.

桑原 教彰(京都工芸繊維大学)
思い出を紡ぐプロジェクト
[概要] 施設入居の高齢者の思い出を写真で振り返り,それをビデオにして家族や介護スタッフが共有することで,介護の質が大きく向上した事例を報告する.また福島の原発被害で仮設住宅に避難されている高齢者の方に対する取り組みも紹介する.

清水 唯一朗(慶應義塾大学), 諏訪 正樹(慶應義塾大学)
身体知の観点から聴き手ー話し手の関係を捉える
ーオーラル・ヒストリーメソッドの再検討ー
LinkIcon[PDF]] SKL-18-10 (pp. 16-22)
[概要] 人文社会科学分野において,オーラル・ヒストリーは質的研究に有効な手法として地歩を得つつあるが,その一方で,その手法自体は経験的なものに留まっていた.本報告は,聴き手と話し手の関係性を身体的コミュニケーションであると捉え,その再検討を行うものである.

プログラム(敬称略)

<一般講演>
09:50-10:00 開会
10:00-10:35 古川 康一ほか
 合奏指導における比喩表現の役割
10:35-11:10 橋詰 謙
 トップアスリートの身体知 その4
<特集講演> 「コミュニケーションを通じて一人称視点を探る」
11:10-12:10 川堀 昌樹(招待講演)
 ワークショップ「キャリア・デザインのきっかけ体験

=== 12:10-13:30 昼食 1時間20分 ===

13:30-14:20 諏訪 さゆり(招待講演)
 国際生活機能分類ICFを活かした認知症ケア
14:20-14:50 辻村 真由子
 在宅療養者を支える家族介護者の他者へのケアの委譲
14:50-15:10 島村 敦子
 訪問看護師が用いる在宅療養者の気持ちを汲み取る方法
(休憩10分)
15:20-15:50 高橋 英克
 一人称視点で感情移入 共感を創出:
 「聴くを贈る」家族遺産プロジェクト
15:50-16:10 永田 映子
 М家のアルバム(過去・現在・未来)
16:10-16:40 桑原 教彰
 思い出を紡ぐプロジェクト
(休憩10分)
16:50-17:20 清水 唯一朗ほか
 身体知の観点から聴き手ー話し手の関係を捉える 
17:20-17:50 全体討論
17:50-18:00 閉会

主査(代表) 藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
主幹事 諏訪正樹 (慶應義塾大学)
幹事 

  • 古川康一 (嘉悦大学) 
  • 橋詰 謙 (大阪大学) 
  • 大武 美保子(千葉大学)
  • 松浦 慶総(横浜国立大学)


聴講を希望される場合

[発表なしで聴講のみ希望される場合]
・参加申込先:skl-reg(at)jaist.ac.jp
 上記(at)部分は@マークに置き換えてください
 下記のフォームに必要事項を記入して2014年3月12日までにお送りください.
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(1)参加者氏名:
(2)参加者連絡先
氏名:
所属:
E-mail:
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聴講申し込みは必須ではありませんが、配付資料の部数を事前に把握したいのでたとえ前日になってもご連絡いただけると助かります。

問い合わせ先

 skl-reg(at)jaist.ac.jp
 上記(at)部分は@マークに置き換えてください




























大武 美保子


古川 康一


橋詰 謙







川堀 昌樹






諏訪 さゆり




辻村 真由子







島村 敦子





高橋 英克





永田 映子






清水 唯一朗