身体知研究会

身体技能を言語化する方法論の確立

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更新日 2020-01-24 | 作成日 2015-10-14

身体知研究会

第28回研究会を以下のように開催します:

  • 日時:2019年 6月15日(土) 午後12時30分から16時30分まで
  • 場所:[東京大学 本郷キャンパス] 
  • 会場:教育学部棟109号室です。教育学部棟正面入口より入館後、右手に進んで下さい。すぐに教室番号が見えます。LinkIcon構内マップ
  • 参加費:無料
  • 予稿集  [ LinkIconPDF( 8 MB, 29 pages)] SKL-28]


 特集テーマ 「二人の身体知:対人場面におけるダイナミクス」

近年、認知科学や身体運動科学の分野で、インタラクションを「ふたりでひとつ」として捉えるシステム論的視点による研究が増えてきている。システムとして捉えることで、複雑な現象を要素に還元せずに記述し、定量的に解析し、数理的にモデル化できる可能性が示されてきた。これらは複雑な現象を客観的に三人称的視点で捉えるアプローチとも言えよう。他方、生身の身体をもつ個々の主観や一人称的視点から、ダイナミックに変化するインタラクションを捉えるアプローチも重要である。第28回身体知研究会では、上記2つの問題意識から、スポーツ、格闘技、ダンス、会話など幅広い領域の実践において、二人、ないし三人以上のインタラクションにおける身体の役割や影響に関する研究の発表を広く募集する。

招待講演

剣道における競合的相互作用のための知覚―運動技能

奥村基生 准教授(東京学芸大学)
本研究は次の方々との協働によるものです:木島章文(山梨大学),三浦哲都(早稲田大学),碓氷典諒(山梨大学大学院),山本裕二(名古屋大学)
[概要] 剣道のような対人競技において選手は勝つことと負けないことの相反する目的を達成しようとする.その攻防は複雑・高速・独特であり,選手は情報を素早く適切に処理するために,また,運動を実行・中断・切り替えるために特殊な知覚―運動技能を習得している.発表では巧みに競合的な相互作用をするための選手の技能について公開・未公開の研究結果を通して紹介し議論したいと考えている.

一般講演 5件

 ○山田雅敏 (常葉大学 健康プロデュース学部), 里大輔(SATO SPEED Inc),遠山紗矢香(静岡大学),竹内勇剛(静岡大学創造科学技術大学院)
歩行スキルのコーチングを試みるコーチのジェスチャーに関する情報学的研究
[LinkIcon[PDF]SKL-28-01 (pp. 1-6)
[概要] 身体スキルのコーチングを考えた場合,コーチはジェスチャーを使用し,説明を試みることが一般的である.本研究では歩行スキルの伝授を試みるコーチのジェスチャーに焦点を当て,その方略を検討することを目的とする.

○堀内隆仁(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 諏訪正樹(慶應義塾大学環境情報学部)
身体知輻湊性の哲学
[LinkIcon[PDF]SKL-28-02 (pp. 7-11)
[概要] 我々は、所与の競技種目名や技名によって、2つの身体知を同定(または峻別)してかかってしまう。本発表では、研究者かつ実践者として身体知と切に向き合うために、その態度に疑いをかける。人間が一つの持続した身体を具備して生きるならば、あらゆる獲得済み身体知は、身体において未分化に輻湊しているはずである。

○松浦慶総(横浜国立大学)
教授者ー学習者の相互性を考慮した身体技能教育支援に関する一考察
[LinkIcon[PDF]SKL-28-03 (pp. 12-14)
[概要] 多くの暗黙知を含む身体技能の教育において,教授者と学習者の一方の立場だけではなく,双方の相互性を考慮した教育支援が必要である.本論文では,身体技能教育に対するそれぞれの立場と,技能情報に対する意識について考察することを目的としている.
  
○井川大樹(株式会社プラスアルファ えん訪問看護リハビリステーション), 三浦哲都(早稲田大学人間科学学術院), 工藤和俊(東京大学大学院情報学環)
立位姿勢動揺の対人間協調ダイナミクス
[LinkIcon[PDF]SKL-28-04 (pp. 15-23)
[概要] 指先で軽く接触している二者の立位姿勢の足圧中心を計測した。二者の時系列のダイナミクスに対し非線形時系列解析を行い、複数の時間スケールにまたがる協調関係を定量的に評価した。

○清水大地(東京大学), 関根和生(慶應義塾大学), 児玉謙太郎 (神奈川大学)
フリースタイルラップバトルにおける演者間インタラクションの探索的検討
[LinkIcon[PDF]SKL-28-05 (pp. 24-29)
[概要] 本研究ではラップバトルにおいて演者間で生じる身体動作の協調関係を探索的に検討した。結果としてラッパーが複数の身体部位(頭、手、腰)を互いに複雑に協調させながら表現を披露する様子が示唆されている。
 

発表なしで聴講のみ希望される場合

参加申込先:skl-reg(at)jaist.ac.jp
上記(at)部分は@マークに置き換えてください

下記のフォームに必要事項を記入してお送りください.(6月13日木曜日まで)

(1)参加者氏名:
(2)参加者連絡先
氏名:
所属:
E-mail:

聴講申し込みは必須ではありませんが、配付資料の部数を事前に把握したいのでたとえ前日でもご連絡いただけると助かります。
  

プログラム (敬称略) 

12:30 - 12:35 開会
12:35 - 13:50

  1. 山田雅敏「歩行スキルのコーチングを試みるコーチのジェスチャーに関する情報学的研究」
  2. 堀内隆仁「身体知輻湊性の哲学」
  3. 松浦慶総「教授者ー学習者の相互性を考慮した身体技能教育支援に関する一考察」

13:50 - 14:00 休憩
14:00 - 14:50

  1. 井川大樹「立位姿勢動揺の対人間協調ダイナミクス」
  2. 大地「フリースタイルラップバトルにおける演者間インタラクションの探索的検討」

 14:50-15:00 休憩
 15:00-16:00 招待講演 奥村基生先生
剣道における競合的相互作用のための知覚―運動技能」 
16:00-16:30 全体討論・閉会 


昼食に関するお知らせ

土曜日はキャンパス周辺で食事できるところが少なく、構内食堂をご利用いただくのが便利なようです。弁当などを持参してご来場いただくのもよいかと思います。

 
SIG-SKL 身体知研究会 
主査(代表) 藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
主幹事 諏訪正樹 (慶應義塾大学)
幹事 

大武 美保子 (理化学研究所)
大海 悠太 (東京工芸大学)
児玉 謙太郎 (神奈川大学)
清水 大地 (東京大学)
橋詰 謙 (大阪大学)
松浦 慶総 (横浜国立大学)
松田 浩一 (岩手県立大学)

 

問い合わせ先

 skl-reg(at)jaist.ac.jp

 上記(at)部分は@マークに置き換えてください