身体知研究会

身体技能を言語化する方法論の確立

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更新日 2020-01-24 | 作成日 2015-10-14

身体知研究会

第3回研究会を以下のように開催しました:

  • 日時: 2009年 1月 9日 10:00-17:00
  • 場所: 慶應大学 三田キャンパス 研究室棟A会議室(研究室棟1階)
  • 参加費: 無料
  • 予稿集(編集中): [LinkIconPDF (3MB)] SIG-SKL-03 (33 pages)

招待講演講演者: 田村 大(博報堂)
 演題: 人間中心デザインに向けたユーザスタディ
 概要: 不確実性を深める社会やマーケットを前に、デザインは人間中心への旗色を鮮明にしつつある。しかし、どのように人間中心のデザインを達するのであろうか--この基本的な問いに、正面から答を返した例は多くない。そこで筆者は、自身らがこれまで体系化を進めてきた「ビジネス・エスノグラフィ」について、他手法との対比を交えつつ、その可能性を示す。とりわけ、ビジネス・エスノグラフィにおいて欠かせない観察対象・「エクストリーム・ユーザ(極端なユーザ)」 に関して、彼ら彼女らとの相互作用を通じ、構成的に意味を見出すプロセスが、デザインに対して大きな貢献を果たすことを示すつもりである。

一般講演

島森 正裕, 山本 知幸, 藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
陶芸の身体的な技能における熟練者と学習者の動作比較
[LinkIconPDF (615KB)] SKL-03-01 (pp. 1-6)
[概要] 陶芸における土練りでは,粘土に含まれる気泡を押し出し,均質にすることが目的である.また粘土の乾燥を防ぐため短時間で練ることが必要となる.そのため,粘土に対する力の加え方が重要である.熟練者の特徴である粘土を押し返す時に生じる胴体と手のタイミングのズレにコツが潜んでいると考え,粘土に加わる力とタイミングのズレとの関係について明らかにする.

梅村 浩之, 石川 純, 遠藤 博史, 阿部 健太郎, 黒須 隆行, 松田 次郎(産業技術総合研究所 デジタルものづくりセンター 計測分析技術チーム)
ガラス火加工作業における技能レベルの異なる作業者間での手作業の解析
[LinkIconPDF (500KB)] SKL-03-02 (pp.7-10)
[概要] 本研究ではガラス火加工作業をとりあげ,熟練者と初心者の作業を比較することにより,どのような作業の可視化・数値化が有効であるかを検討した.その結果,火加工作業における基礎動作とされるまわし作業の巧拙が作業時間・できあがりの精度に影響を及ぼすことが示唆された. 

古川 康一(慶應大学), 小林 郁夫(慶應大学), 井上克巳(国立情報学研究所), 諏訪正樹(慶應大学 環境情報学部)
発想推論に基づく着眼点の発見
[LinkIconPDF (284KB)] SKL-03-03 (pp. 11-18)
[概要] 着眼点の発見を目的として,既知の述語を可制御性などによってタイプ分けし,それに基づいて推論図式の欠落部分を発見し,そこを埋める新述語ならびに既存述語との関係性を発想推論によって求める手法を提案する.

諏訪 正樹(慶應義塾大学 環境情報学部), 西山 武繁(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)
アスリートが「身体を考える」ことの意味
[LinkIconPDF (979KB)] SKL-03-04 (pp. 19-24)
[概要] アスリートが「自分の身体を考え,吟味する」ことの重要性は認識されていながら,それを促す方法論の研究は未成熟である.本発表では,身体を考える能力を身につけるためには何が必要か,能力を育成するためのコーチング法や支援環境としてどのような考え方が必要かなどの問いを考察する.

伊藤 貴一(慶應義塾大学院 政策・メディア研究科), 諏訪 正樹(慶應義塾大学 環境情報学部), 大澤 幸生(東京大学)
[LinkIconPDF (597KB)] SKL-03-05 (pp. 25-33)
[概要] 日々の運動で気づいたことをメタ認知してブログに書いたものをキーグラフにより可視化し,さらに時間の変化による,言葉の量と関係の変化を可視化することができた.それによってメタ認知の解釈が進んだ

プログラム(敬称略)

10:00-10:10 開会挨拶
10:10-10:50 島森 正裕ほか, 陶芸の身体的な技能における熟練者と学習者の動作比較
10:50-11:30 梅村 浩之ほか, ガラス火加工作業における技能レベルの異なる作業者間での手作業の解析
11:30-13:00 昼食(休憩)
13:00-13:40 古川 康一ほか, 発想推論に基づく着眼点の発見
13:40-14:20 諏訪 正樹ほか, アスリートが「身体を考える」ことの意味
14:20-14:30 休憩
14:30-15:10 伊藤 貴一ほか, メタ認知の言葉の量と関係の時間変化の可視化と解釈
15:10-15:20 休憩
15:20-16:40 田村 大, 人間中心デザインに向けたユーザスタディ
16:40-17:00 閉会挨拶

主査(代表) 藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
主幹事 諏訪正樹 (慶應義塾大学)
幹事 

  • 古川康一 (慶應義塾大学) 
  • 橋詰 謙 (大阪大学) 
  • 工藤 和俊(東京大学)

問い合わせ先

 skl(at)jaist.ac.jp
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