身体知研究会

身体技能を言語化する方法論の確立

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更新日 2021-10-25 | 作成日 2021-08-10

第35回身体知研究会

研究会を以下のように開催しました。

  • 日時:2021年10月23日(土)13:10から
  • 場所:Zoomによるオンライン開催
    • 特別対談はアルゴグラフィックス北見カーリングホールからオンラインでお届けしました。
  • 参加費:無料
  • 予稿集:LinkIconPDF( 5.2 MB, 12 pages, SKL-35)
  • 協力:電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーション

特集テーマ

企画テーマ趣旨:「スポーツ、ゲームと身体知」
企画者:伊藤 毅志(電気通信大学)

スポーツやゲームのプレイヤは高度な技術を習得して素晴らしいパフォーマンスを実現している。ゲームを題材とした認知科学的研究では、人間の熟達化をテーマに様々な研究が行われてきた。特にトッププレイヤのそれは、非常に高度な感覚的な「わざ」を必要とする。また、スポーツと身体知も切っても切れない関係にある。高度なプレイの裏には巧みな身体の制御が必要であり、それを実現している膨大な練習や意識的な身体に関する認知が大きな影響を与えている。ゲームやスポーツを研究の対象とする利点は、技術の進歩や技の洗練がわかりやすく勝敗や得点といった形で可視化できる点にある。身体技能の熟達化がわかりやすく点数化できるという点で、この分野の身体知の研究の将来性は高いと考える。身体的な知を磨くことで得られた技術をどのように技として体現するのか、その感覚をどのように掴んでいるのかを解明していきたい。
本企画では、スポーツやゲームを対象にした身体知の研究を対象とした研究を広く募集する。以下のような研究テーマの発表を歓迎するが、これにこだわらず広く身体知に関わるゲーマも歓迎する。

  • スポーツ、ゲームプレイヤの身体知
  • スポーツ、ゲームプレイヤの熟達化
  • コーチ、指導者からみた身体知
  • プレイヤの認知データの可視化
  • プレイヤの熟達化を支える技術

プログラム

  • 13:10-13:20 趣旨説明(伊藤)
  • 13:20-13:55 【一般投稿1】1件
  • 13:55-14:10 休憩
  • 14:10-15:10 【特別対談1】
    話者:小笠原歩(カーリング元日本代表、日本カーリング協会理事)
    聞き手:伊藤毅志
    「カーリングと身体知」 
  • 15:10-15:20 休憩
  • 15:20-16:20 【特別対談2】
    話者:渡辺明(日本将棋連盟プロ棋士)
    聞き手:伊藤毅志
    「将棋と身体知」
  • 16:20-16:30 休憩
  • 16:30-17:40 【一般投稿2】2件

【一般投稿1】

1.○黒田 英慈、林 将寛、桝井 文人、柳 等
「人体姿勢推定技術を用いたカーリング動作解析の一考察」LinkIconPDF
概要:カーリングのデリバリー動作に関して画像処理分野の人体姿勢推定技術を用いたデリバリーフォームの良し悪しを判定するシステムの開発を目指し、その事前研究としてデリバリー動作についてカメラ映像から3D骨格推定の実現性調査を行った。

【特別対談1】

「カーリングと身体知」
招待話者:小笠原 歩(おがさわら あゆみ)
(聞き手:伊藤 毅志(いとう たけし)ゲームを題材とした認知科学研究者。)

<プロフィール>
公益社団法人日本カーリング協会理事。JOCアシスタントナショナルコーチ。 02'ソルトレイクシティ、06'トリノ、14'ソチオリンピック日本代表。 ソチオリンピックでは、日本選手団旗手を務めた。

<話題>
カーリングは、氷上のチェスと言われるほど高度に戦略的プレイが要求されるスポーツです。本対談では、カーリングの競技としての難しさについて紹介し、プレイヤとしてどのような練習や思考をしてきたのか、またコーチの立場でプレイヤとどのように接しているのか、プレイヤの身体的な気付きがプレイにどのように影響を与えるのかについて、お話を伺っていきます。

【特別対談2】

「将棋と身体知」
招待話者:渡辺 明(わたなべ あきら)
(聞き手:伊藤 毅志(いとう たけし)ゲームを題材とした認知科学研究者。)

<プロフィール>
日本将棋連盟プロ棋士。名人(棋王、王将)。タイトル獲得回数通算29期。(2021年8月18日現在)永世竜王、永世棋王資格保有。

<話題>
渡辺名人は、押しも押されもせぬ当代トッププロ棋士です。高度な思考を要求される将棋というゲームをどのように思考し、この地位を維持していらっしゃるのか、思考法、学習法を伺うとともに、身体と思考の関係についてお話を伺っていきたいと考えています。特に近年現れた将棋AIと人間の思考との関係、それをどのように使える知識に変えて対戦に活かしていくのかについても掘り下げてみたいと思います。カーリングもお好きとのことなので、カーリングの戦略的思考と将棋との類似点などについても、可能であれば小笠原さんも交えてお話を伺えればと考えています。

【一般投稿2】

2.竹内 亮人、○為井 智也
「運動課題における言語指導と身体協調の関係」
概要:言語指導は直感的・定性的に表現されることが多い.人間の運動は複数のシナジー(身体部位間の協調)によって構成される.本研究では,スパースモデリングを用いて,指導者が言語指導により,どのようなシナジーを修正しようとしているのかを定量化する.

3.○岡田 健嗣、脇坂 崇平、髙原 慧一、荒川 陸、稲見 昌彦
「ボールジャグリング練習映像に基づいた教示推薦システムの構築と応用」LinkIconPDF
概要:身体スキル学習において、教示は教示者自身の身体知を表在させたものである。本研究では、学習者の練習映像に対して与えられる教示と、映像解析で得られる指標を対応させて自動教示推薦を行うシステムを構築した。また、それを利用し教示の構造解明を試みる。

SIG-SKL 身体知研究会

主査(代表) 諏訪 正樹 (慶應義塾大学)
主幹事 松浦 慶総 (横浜国立大学)

幹事
伊藤 毅志 (電気通信大学)
大海 悠太 (東京工芸大学)
大武 美保子 (理化学研究所)
児玉 謙太郎 (東京都立大学)
清水 大地 (東京大学)
白水 始 (東京大学)
橋詰 謙 (大阪大学)
松田 浩一 (岩手県立大学)

連絡委員
藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
鳥居 拓馬 (北陸先端科学技術大学院大学)
永井 孝 (ものつくり大学)
堀内 隆仁 (慶應義塾大学政策・メディア研究科)
山田 雅之 (九州工業大学)

問い合わせ先

jimu(at)sigskl.org
上記(at)部分は@マークに置き換えてください。