第47回身体知研究会
研究会を以下のように開催いたします。
- 日時:2025年12月13日(土) 12:00-18:45(終了後、蒲田で懇親会も開催いたします。ぜひご参加くだると幸いです。)
- 場所:東京工科大学 蒲田キャンパス 3号館2階30212教室
- ※今回は、以下の特集テーマの企画、招待講演を予定しています。
- ※リモートの開催も予定しております(リモートは配信中心の予定です)。
- 発表・聴講申し込みフォーム (参加申込期限:2025年12月11日(木)。発表申込は〆切済)
- 参加費:無料
企画テーマ:「身体が観ている世界」を観る
企画者:堀内 隆仁(東京都立大学)
スポーツやアートにとどまらず日常的な生活実践において、「身体が観ている世界」があると仮定したとき、私たちはそれをいかにして観ることができ、それはどのような世界として立ち現れてくるのでしょうか?
「身体が観ている世界」を観るには、観察者(研究者)も実践者も、身体を自身から切り離さずに、心や環境や他者とふくみあうような全体システムで身体をとらえつつ、さなかで生じる「身体感覚」に耳を傾けて(身体の声を聞くかのように)、「自身の変化」を受け容れることが鍵になると企画者は考えています。
第47回では、平倉圭先生(横浜国立大学)と裵芝允(ベ・ジユン)先生(上智大学)にご講演いただきます。平倉先生は、広く「芸術」を対象に、微視的かつボトムアップな方法をとおして、芸術を制作者に限られない多様なエージェンシーが互いに巻き込み合う過程として描き出す研究者です。裵先生は、「身体」を哲学・美学的に探求し、その教育的な具現を試みる研究に取り組んでいます(とりわけ、art of living=生きることそのものの美的価値に焦点を当て、身体・思想・教育をつなぐ新しい人文学的視座を模索しています)。
テーマをめぐりお二人の講演をふまえ、フロアを交えてざっくばらんに議論したいと考えています。
招待講演のなかでは、「身体が観ている世界」を観るようなプチワークショップもおこないます。
第47回では、本テーマに関連する研究発表を広く募集します。対象例題はスポーツやアートにとどまらず、日常的な生活実践までふくめてなんでもウェルカムです。実践・デザイン・理論など、多様な方法論を歓迎します。その他、本テーマに直接関連せずとも、広く身体知に関連する研究も歓迎します。研究の構想段階の発表でもOKです(ショートの発表枠も用意しております)。
—-本企画テーマの発想源になったのは、
人工知能学会誌Vol.40,No.3の表紙に掲載された身体知研究会を象徴するイラスト
です。かの有名な「マッハの自画像」をオマージュした構図で、研究者が、バレエダンサーが踊っているようすを観測・記述(という身体的行為)している、という絵になっています。バレエダンサーに目をやると、本人の小さな妖精たちが、本人の身体各部位や各感覚に対して、表情豊かに、実にさまざまなしかたではたらきかけています。このように、本イラストには身体知にまつわる多種多様な視点あるいは「人称性」が織り交ぜられています。身体が観ている世界を観ることの深みをも象徴しているイラストと言えましょう。
招待講演:
- 平倉 圭 先生(横浜国立大学・准教授)
- 裵 芝允 先生(上智大学・准教授)
企画講演:
- 堀内 隆仁(企画担当幹事・東京都立大学)
プログラム
12:00-12:05 開会挨拶
一般セッション①
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12:05〜12:45「内から湧く身体知」(発表ID:SKL-47-01)
- 福田収一(慶應義塾大学 システムデザインマネジメント研究所)
- 発表25分+質疑15分
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12:45〜13:25「LPCスペクトル包絡線から得られるフォルマントに基づく歌声評価手法の検討」(発表ID:SKL-47-02)
- 寺内大晴(信州大学大学院 総合理工学研究科)、冨田孝幸,山下泰樹,永井孝,舘伸幸,池田京子,香山瑞恵
- 発表25分+質疑15分
休憩(13:25-13:35)
企画セッション①
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13:35〜13:50 企画者講演(少し長めの企画趣旨説明)
- 堀内隆仁(東京都立大学)
- 発表15分
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13:50〜15:10 裵 芝允先生による招待講演とプチワークショップ
- 講演:身体感性論と教育の交差点:身体知にもとづく「The Art of Living」の教育
-
「より良い生きること」という共通の関心から、身体感性論(somaesthetics)と教育は重ね合わせて考えることができる。
R.シュスターマンが提唱する身体感性論は、身体を生の「場」として捉え、その感覚・動き・気づきの向上を通じて、
より良く生きることを目指す哲学のプロジェクトである。本発表では、身体感性論の視点から、
身体知を育む教育はいかなる形を取りうるのか、その可能性を検討する。
具体的には、ヨガを中心とする個人的実践と大学での授業実践を素材に、 身体経験の鋭敏化と動きの洗練という学びの姿と可能性を論じる。 さらに、こうした身体知の教育を日常的な営みへと拡張する視点として、 「食べる」行為に注目し、その身体的経験がもつ教育的意義を探る。
本発表を通して、身体を起点とする「The Art of Living」の教育の具体像を示すことを目指す。 - プチワークショップ: <The Art of Chocolate Eating>、<The Art of Body Scanning>
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小さなチョコレートやお菓子を用い、見た目、感触、香り、舌触り、溶ける・舐める・噛むなどの行為を丁寧に観察する
「マインドフル・イーティング」のワーク。日常の自動的な行為を再体験し、感覚の精度や気づきの質を高める身体感性の実践例として行う。
座位で、インストラクションに従って、身体の各部分を順に意識し、 微細な緊張感や接地を観察するワーク。注意の方向性と身体感覚の鋭敏化を体験的に理解するために実施する。
休憩(15:10-15:20)
企画セッション②
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15:20〜16:40 平倉圭先生による招待講演とプチワークショップ
- 講演:「他者の表現に潜り込む――二つのサンプルから考える」
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他者の表現を観察するとき、観察者の身体は何をしているのだろうか。
本講演では、芸術研究の現場で生じる身体的理解に注目し、二つのサンプルから考える。
第一に、荒川修作+マドリン・ギンズ『意味のメカニズム』における、 観客の身体に働きかける装置としての構造を取り上げ、その構造がどのようなプロセスを経て 見えてくるのかを検討する。
第二に、最近取り組んでいるフィールド調査から「菌糸の振るまい」を取り上げ、 人間以外の「表現」を身体的に理解する可能性を探る。 - プチワークショップ(暫定版):「身体で観る――高村智恵子の切紙絵を通して」
- 他者の表現は、観察者の身体を通して現れる。 本ワークでは、高村智恵子の切紙絵を手がかりに、 身体的な動作(描く・切る)を通してかたちを捉える試みを行う。 「観る」ことの始まりを、ともに探ってみたい。
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16:40〜17:10 パネルディスカッション
- 登壇者:平倉圭、裵芝允(予定)
休憩(17:10-17:20)
一般セッション②
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17:20〜18:00「リッチな映像分析のためのレトロスペクティブ・レポート」(発表ID:SKL-47-03)
- 吉田快馬(慶應義塾大学政策・メディア研究科)、諏訪正樹
- 発表25分+質疑15分
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18:00〜18:40「演劇ワークショップにおける芸術性としての学び―能動的推論を手がかりに」(発表ID:SKL-47-04)
- 宮野祥子(桜美林大学)、塩野剛志
- 発表25分+質疑15分
閉会挨拶(18:40-18:45)
懇親会@蒲田(19:15-)
発表・聴講募集
- 発表申込期限:
2025年11月15日(土) - 原稿提出期限:2025年12月6日(土)
- 聴講申込期限:2025年12月11日(木)
- 研究会開催日:2025年12月13日(土)
発表原稿
研究会資料はPDF形式で研究会Webサイトにて公開します。
原稿フォーマットはA4サイズで1ページ」から受け付けます(最大8ページまでです。)。
人工知能学会 研究会スタイル・ファイルをご利用ください。
http://www.ai-gakkai.or.jp/sig/announce/sig-style/
原稿提出が間に合わない場合は研究会後(7日後までに)の提出でもかまいません。
【発表原稿の提出先】
jimu(at)sigskl.org
左記(at)部分は@マークに置き換えてください。
発表または聴講を希望される方
発表は通常の40分(発表25分,質疑応答15分)の他にショート20分(発表12分,質疑応答8分)も受け付けます.
ショートの発表では,学生・院生の構想段階の研究等も大歓迎です.
発表申込期限,聴講申込期限までに,下記のフォームに必要事項を記入してお送りください。
SIG-SKL 身体知研究会
主査(代表) 松浦 慶総 (横浜国立大学)
主幹事 大海 悠太 (東京工芸大学)
幹事
伊藤 毅志 (電気通信大学)
今宿未悠(詩人・パフォーマンスアーティスト)
榎本 美香(東京工科大学)
香山 瑞恵(信州大学)
児玉 謙太郎 (東京都立大学)
清水 大地 (東京大学)
白水 始 (国立教育政策研究所)
諏訪 正樹 (慶應義塾大学)
永井 孝(ものつくり大学)
堀内 隆仁(元慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
松田 浩一 (岩手県立大学)
松原正樹(筑波大学)
山田 雅之(九州工業大学)
連絡委員
橋詰 謙 (大阪大学)
藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
問い合わせ先
jimu(at)sigskl.org
上記(at)部分は@マークに置き換えてください。

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