第44回身体知研究会
研究会を以下のように開催いたしました。
- 日時:2024年12月22日(日) 13:00-17:15
- 場所:東京工科大学 蒲田キャンパス 3号館 2F 20212
- Zoomでの配信(申し込みをされた方に,前日までにアクセス先をご連絡します. リモート参加の場合には,原則チャットでの質問受付となります. 質問は現地参加の方を優先としますので,ご了承ください.)
- 参加費:無料
- 予稿集:
PDF(21pages, SIG-SKL-44)
企画テーマ:身体技法の認知的共有に関する研究
企画者:榎本 美香(企画担当幹事・東京工科大学)
第44回の研究会では、様々な身体技法(スポーツや芸能、伝統儀式など)を体得する過程で、学習者が何かを掴んだと感じる瞬間が多々あります。 また、そのことに指導者も同時に気づきます。今、どの段階の何が実践可能になったのかを指導者と学習者が認知的共有する瞬間だとも言えます。 例えば、水泳のバタフライでは、身体をうねらせるという動作を教える時に、「水の中のトンネルを抜けていくように」というような表現を使ったりします。学習者にその表現が理解可能になったとき、その感覚を指導者と共有したことにもなります。 空手の指導場面における相互作用を通して得られる経験の共有を研究しておられる名塩征史先生にご講演頂く予定です。 身体技法の研究をされている方々から広く発表を募集したいと思います。
あわせて、上記の企画テーマに関連する発表にこだわらず広く身体知に関する研究も歓迎します. 今年度も昨年度から継続し,ショートの発表枠も募集するため,研究の構想段階の学生や院生の発表についても歓迎いたします.
招待講演:
- 名塩 征史 先生(広島大学・准教授)
「わざ」の分解・「わざ」への統合:身体的技能の部分と全体
講演要旨:
「わざ」とは、ある活動の遂行に欠かすことのできない巧みな身体操作、もしくは道具の操作を指す。 身体的な活動を支える「わざ」は、目に見える動きだけでなく、その動きの実践に伴う身体感覚(動感)や経験知などの関連が指摘されているが、それらは直接観察することができず、論理的な説明も難しいとされている。 それゆえに「わざ」の習得においては、部分の完全な理解を介さずに全体を把握することが推奨されている。 殊に武道・伝統芸能といった制度性・形式性の高い活動においては、「わざ」の伝承に際して、あえて言葉にすることを控えるという慣習があるが、この慣習も言語化の際に必要となる分析や構造化の手続きを避ける意味合いがあるようだ。
その一方で、初心者を相手に指導する稽古の場においては、指導者が学習者のために、「わざ」を仔細に分析・分節化し、指導者が自ら手足を動かし、一挙手一投足を丁寧に提示しながら指導する様子が頻繁に観察される。 本質的には避けられるべき「わざ」の分析・分節化が、実際の指導-学習場面においては積極的に為されているという事実をどのように説明すべきだろうか。
本講演では、年少者向けの空手教室と太極拳教室での稽古/練習場面を対象とするマルチモーダル分析を通して、「わざ」の外観と内観、部分と全体について明らかにしつつ、望ましい伝承(指導-学習)に寄与する「わざ」の分解と「わざ」への統合について検討する。
企画講演:
- 榎本 美香(企画担当幹事・東京工科大学)
「水泳の身体感覚を習う〜水泳コーチとの対話を例に」
プログラム
13:00-13:05 開会挨拶
13:05-13:10 特集企画説明(榎本先生)
【招待講演】13:10-14:10
講演者:名塩 征史 先生(広島大学)
【企画講演】14:10-14:50
講演者:榎本 美香 先生(東京工科大学)
休憩(14:50-15:00)
【セッション1】特集関連テーマ(2件)
司会:松浦 慶総
15:00-15:40「本能の活用 - 知識から知恵へ : 溶接における「わざ」」
(発表ID:SKL-44-01)
福田 収一(慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究所)
(発表25分+質疑15分)
PDF
15:40-16:00「IMUセンサを用いた剣道の素振り計測システムの開発」(発表ID:SKL-44-02)
大海 悠太、佳山 京圭、實方 真臣(東京工芸大学)
(発表12分+質疑8分)
PDF
休憩(16:00-16:10)
【セッション2】一般発表(2件)
司会:堀内 隆仁
16:10-16:50「”纏う”ことで心はどう動くのか」(発表ID:SKL-44-03)
古屋千紘(筑波大学 情報学群),遠藤友咲(筑波大学大学院 人間総合科学学術院)
(発表25分+質疑15分)
PDF
16:50-17:10「身体感覚の物質的なメタファーがもたらすインタラクション -不安を身体の外に出してみる-」(発表ID:SKL-44-04)
遠藤友咲(筑波大学大学院 人間総合科学学術院),松原正樹(筑波大学 情報学群)
(発表12分+質疑8分)
PDF
17:10~17:15 閉会挨拶
(終了後に懇親会を予定しています。)
発表・聴講募集
- 発表申込期限:2024年12月13日(金)
- 原稿提出期限:2024年12月19日(木)←間に合わない場合には,期限を延期しますのでお申し出ください.
- 聴講申込期限:
2024年12月19日(木)2024年12月20日(金(←延長しました。) - 研究会開催日:2024年12月22日(日)
発表原稿
研究会資料はPDF形式で研究会Webサイトにて公開します。
原稿フォーマットはA4サイズで6ページを標準としますが、
1ページから最大8ページまで可です。
人工知能学会 研究会スタイル・ファイルをご利用ください。
http://www.ai-gakkai.or.jp/sig/announce/sig-style/
原稿提出が間に合わない場合は研究会後(7日後までに)の提出でもかまいません。
[発表原稿の提出先]
jimu(at)sigskl.org
左記(at)部分は@マークに置き換えてください。
発表または聴講を希望される方
発表は通常の40分(発表25分,質疑応答15分)の他にショート20分(発表12分,質疑応答8分)も受け付けます.
ショートの発表では,学生・院生の構想段階の研究等も大歓迎です.
発表申込期限,聴講申込期限までに,下記のフォームに必要事項を記入してお送りください。
SIG-SKL 身体知研究会
主査(代表) 松浦 慶総 (横浜国立大学)
主幹事 大海 悠太 (東京工芸大学)
幹事
伊藤 毅志 (電気通信大学)
榎本 美香(東京工科大学)
香山 瑞恵(信州大学)
児玉 謙太郎 (東京都立大学)
清水 大地 (東京大学)
白水 始 (国立教育政策研究所)
諏訪 正樹 (慶應義塾大学)
永井 孝(ものつくり大学)
堀内 隆仁(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
松田 浩一 (岩手県立大学)
山田 雅之(九州工業大学)
連絡委員
橋詰 謙 (大阪大学)
藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学)
問い合わせ先
jimu(at)sigskl.org
上記(at)部分は@マークに置き換えてください。